シルトホルン頂上 〜 ロートシュトックヒュッテ 〜 ミューレン
 
 
  ミューレンからロープウェーでシルトホルン頂上駅まで上り、展望台の裏側からChilchflue方向へ向かう。 シルトホルンは、もうすごい昔の話になってしまったが、映画「女王陛下の007」の撮影舞台にもなったところで、ツアーでも添乗員から必ずその話がでるので知らない人は少ないと思う。 標高2970mと3000mにはちょっと足りないが、晴れていればベルナーオーバーランド3山、ファウルホルンからシーニゲプラッテ、ブリュムリスアルプ方面まで360°の大パノラマが満喫できる。  
 
 

展望台の裏側から歩き始め、高山植物も生えないような荒れた黒いガレキの尾根伝いに下っていく。 両側は深く切れ込んだ谷であり、右手にはSoustal(ソースの谷)が広がり、左手のはるか下方にはSefinental(セフィネンの谷)がかすかに覗ける。 ソースの谷側はイーゼンフルーから奇岩ロープへルナーを望み、グリュッチュアルプに向かう道へと収束している。 この尾根にはさえぎるものがほとんどないので、まるで空中散歩をしているような素晴らしい景色を堪能できる。 
また、振り返れば、歩き始めた展望台がはるか後方に小さく見える。

 
 
  ただし、のんびりと歩けるのもほんのつかの間、しばらく進むと巨岩がゴロゴロした間を縫うように下っていく。 岩の隙間やコース端には可憐なカンパニュラの花が咲き、思わずカメラに手が伸びてしまう。 こんな場所によく咲くものだ。 厳しい冬の寒さを乗り越えて、今は陽の光を受けて殊のほか美しい。
ここからは、道はさらに厳しくなり、クサリを伝い、鉄のはしごを下っていく。 山歩きに慣れた人なら問題ないが、なんといっても3000m近い山のハイキングである、油断をしないで注意深く下っていこう。
 
 
 

尾根の突端まで行くと、道はUターンするように左に大きく折れて下っていく。 時間があればこの突端に腰掛けて素晴らしい景色をしばし眺めてみよう。 今来た後ろの道以外、前も左右もなにもない。 なんて雄大な景色なんだろう。
下から吹き上げてくる風に吹かれて、汗がさっと引いていく。 さながらタイタニック号の船首に立って向かい風を体いっぱいに浴びているようなさわやかさである。

 
 
  岩がゴロゴロした道を通り抜けると、やがて富士山の砂走りのような場所に出る。 タールをグルッと巻き込むように道が続き、眼下にはパッと広がった緑の谷が大変美しい。 ここには高山植物が乱れ咲く。  ここを (Rote Hard) 直進すればHundshornを経由してグリースアルプへとつづく。 (こちらのコース案内は次回)
ここは岩に書かれた赤い標識に沿ってロートシュトックヒュッテ方向に向かって下っていこう。 滑りやすい岩の道を左手の山に沿って下っていく。
 
 
  そこかしこに咲く美しい高山植物を愛でながら進むと、やがて目の前の空高くベルナー山群が聳え、下方には石作りの小屋が見えてくる。 さらに下れば右手から下ってくる道に合流する。 この道はHundshubel から Sefinenfurgge(ゼフィーネンフルゲ)を経由してグリースアルプへとつづく。
小屋の前には放牧場があり、牛たちがのんびりと草を食む。

ここで一休みしたら、Bryndli (ブリンデり) に向かって進み Spilboden (シュピールボーデン) の急坂をくだり、小川を渡る。 ここは右に折れてGimmela (ギメラ) を経由してミューレンに下ってもよいし、直進してシルトアルプのレストランで一服してミューレンに向かってもよいだろう。 どちらの道を行ってもここからはもう1時間程度で行くことが出来る。

 


【 シルトホルンとミューレン近辺の概略図 】


  ■コースタイム (適宜休憩を取り、写真を撮りながらゆっくり歩いて)
Schilthorn (シルトホルン) 〜 1時間 〜 Rote hard 〜1時間半 〜Rotstockhutte 〜1時間半 〜 Spilborden 〜1時間 〜 Murren

■ポイント
ベルナーオーバーランドの景色は午後の方が光線の具合がよく美しいため、Rote hard 辺りで昼食になるようセッティングするとよいだろう。

■ご注意
ロープウェーを使えば容易に上れる山であるが、ここはなんといっても3000m近い高山である。 天候の悪いときや、普段あまり山登りをしていない方は絶対に立ち入らないようにしていただきたい。 天候が急変すると、霧で辺りが全くみえなくなるし、落雷も大変危険である。