| 岬の先にはエーゲ海が広がるのみである。他に何があるわけでもない。なぜここが夕陽の名所であって、他の場所ではいけなかったのか。それはよくわからない。きっとポセイドン神殿があるからなのだろう。しかし、なぜポセイドン神殿はここに建てられたのだろう。やっぱり、それはよくわからない。
島影の向こうに太陽が沈み始めた。水平線が赤く染まっていく。それとともにポセイドン神殿は徐々に明るさを失い、シルエットへと変わっていく。やがて太陽はすっかり姿を消し、更に赤く染まった。
夕陽を見るのはここでなくてもいいのかもしれない。しかしここで見る夕陽が美しいことも間違いない。朽ち果てたポセイドン神殿が、歴史の流れを感じさせてくれるだろう。
などど、かっこつけても仕方ない。もうすぐ最終バスの時間だ。乗り過ごすとアテネに帰ることもできない。夕焼けが消えるまで待つこともできず、私達はスーニオンを後にすることになったのである。
さあ、明日はミコノスへ出港だ。海の神・ポセイドンにお参りしたことでもあるし、きっと明日の航海は順調だろう。
|