自然アートのある風景

風景写真のギャラリー

写真を大きくして見たい方は各写真をクリックして下さい。

2回 スーニオン岬にて

旅行期間 = 93/7/18〜93/7/25

[スーニオンへ]
スーニオンの海辺
アテネに着いた日、私達はスーニオン岬に行くことにした。アテネからバスに揺られて2時間弱、ポセイドン神殿跡のあるスーニオン岬は半島の南端に位置し、エーゲ海に沈む夕陽でも有名だ。

バスはアテネ市街を出ると、やがて海岸線に沿って進む。途中はアテネ市民の週末のリゾートでもあり、レストランや海水浴場が広がっている。

スーニオン岬に着いたとき、まだ太陽の位置は高かったので、時間潰しに岬の手前の海水浴上に降りてみた。アテネから程近いというのに、水は透き通って、明るい日差しの下でエメラルドに輝いていた。

[岬のカフェ]
それでもまだ夕陽までには時間が残っていた。私達は岬のカフェに入り、その時をじっと待つことにした。

カフェの軒を広く突き出したテラスの一角に席を取り、妻は知人への絵葉書を書き始めた。日差しはピークを過ぎてやわらかくなり始めていた。テラスの日除けテントから漏れてくるその光と、岬を流れてくる風が心地よかった。有名な観光地とは思えない、のどかな時間が過ぎていったのである。

岬のカフェ
[ポセイドン神殿]
ポセイドン神殿
さて、観光ツアーのバスが大挙して押し寄せる前に岬に出ることにしよう。ポセイドン紀元前5世紀のポセイドンの神殿は、もはや10本ばかりの柱を残すのみになっている。他には何も残っていない。

ボロボロに朽ち果てたこの神殿からは往時の栄光の姿は思い浮かばない。だが、それがこの岬の夕陽をよりたそがれたものに見せてくれるのかもしれない。詩人・バイロンをして感激させた夕陽の時間が刻々と迫っている。

[夕日を待つ]
徐々に観光客の姿が増えてきた。世界中からこの夕陽を見るために集まってくるのだ。

一人旅と見られる若い女性が岸壁に腰掛けていた。タンクトップにジーンズ、髪はラフにまとめて、颯爽としてちょっと格好いい女性だった。もう殆ど真横から差し込むようになった日差しに、彼女の右肩はやわらかく輝いていた。

夕日を待つ
[夕刻の情景]
夕景1

夕景2

夕景3
岬の先にはエーゲ海が広がるのみである。他に何があるわけでもない。なぜここが夕陽の名所であって、他の場所ではいけなかったのか。それはよくわからない。きっとポセイドン神殿があるからなのだろう。しかし、なぜポセイドン神殿はここに建てられたのだろう。やっぱり、それはよくわからない。

島影の向こうに太陽が沈み始めた。水平線が赤く染まっていく。それとともにポセイドン神殿は徐々に明るさを失い、シルエットへと変わっていく。やがて太陽はすっかり姿を消し、更に赤く染まった。

夕陽を見るのはここでなくてもいいのかもしれない。しかしここで見る夕陽が美しいことも間違いない。朽ち果てたポセイドン神殿が、歴史の流れを感じさせてくれるだろう。

などど、かっこつけても仕方ない。もうすぐ最終バスの時間だ。乗り過ごすとアテネに帰ることもできない。夕焼けが消えるまで待つこともできず、私達はスーニオンを後にすることになったのである。

さあ、明日はミコノスへ出港だ。海の神・ポセイドンにお参りしたことでもあるし、きっと明日の航海は順調だろう。


ご来場ありがとうございました