研究用器具加工

掲載写真と説明文の無断転載を禁止します。

■委託加工のメリット

(1)トータルでは低コスト

 研究用器具を自作される場合、部品、材料メーカーから要求される最低発注量を考慮した正確な製作コストを計算し、自作と委託加工のどちらが有利かを検討する必要があります。例えば器具製作に必要な鉄、アルミ、銅板、各種樹脂等の寸法が、20cm角という場合でも、材料にもよりますが通常購入単位としては1m角等の定尺を要求されます。残った材料は当面保管しますが、保管スペースが逼迫してきて処分せざるを得なくなり、最終的にはコスト高になるのが実情です。
 弊社では、このような場合、製作図面をいただければ適量の材料を切り出し、図面通りに加工して納入いたします。ユーザーサイドでは加工済みの板やブロックを所定の場所にネジ止めする程度で必要な器具が出来上がり、製作時間とコストを最少限に抑えることができます。もし適量の材料をユーザー側で入手可能な場合は、ご支給いただいて加工を行うこともできます。 

(2)機構設計や図面作成代行も可能

 万一ユーザー側の設計に問題があった場合は、いただいた製作図面の変更提案を行います。また、製作図面ではなくPower Point(または手書きのポンチ絵)等によってイメージをいただき、弊社で図面を作成し、ご承認を得た後製作することもできます。

(3)計測治具専門メーカによる加工

 研究用の器具の場合、ただ図面の寸法通りに加工するだけでは性能不足となることがあります。その用途や測定に必要な要件を知った上で絶縁材料を選んだり、見合った精密板金を行う必要があります。弊社は計測治具専門メーカとして各種治具を製作した実績から、材料・部品・機構をご提案し、確実に使えるものを加工いたします。

■加工受託のパターン

(1)ユーザーより最終製作図面をいただき図面通りに加工する。
(2)ユーザーより製作図面をいただき、弊社で修正提案を行った後修正図面通りに加工する。
(3)Power Point(または手書きのポンチ絵)等でイメージをいただき、機構等はその設計に基づいて弊社で図面を作成して製作する。
(4)Power Point(または手書きのポンチ絵)等で概略のイメージをいただき、弊社で設計検討を行った後、図面を作成して製作する。

■加工の種類

・材料のご指定寸法切り出し、成形

弊社にて調達またはお預りした厚さの金属板や樹脂をご指定の寸法に切り出したり成形、面取り加工をいたします。部分的な掘り込みは可能ですが、全体の厚さを薄くすることはできません。樹脂を厚くしたい場合は、極力目立たないよう積み重ねます。写真右は、銅円板を重しとしてご指定の重量になるよう製作し、クロムメッキを行っています。左は10mm厚の板を4枚重ね、高さを40mmとして光学部品測定用の試料台としたものです。

・丸穴、角穴等の加工

  

ご提示いただいた製作図面の寸法で丸穴、角穴を加工します。公差は材料によります。写真左はテフロン(PTFE)板の表面に5mm角の穴とピンセット挿入口を加工しサンプルホルダーとしたものです。中央はポリエステル樹脂板に試料穴とシールドボックス取り付け穴をあけたものです。右は市販のアルミボックスに穴加工を行いコネクタ、スイッチ、ゴム足を取り付けたものです。

・アルミ板等の折り曲げ加工

市販品のアルミボックスにご希望の寸法の製品がない場合、ご指定の寸法のボックス等を曲げ加工いたします。コネクタボックスの場合は取り付け穴加工をいたします。

・機構部品の製作と取り付け加工

試料からの引き出し線等の形態に応じ、取り付けし易い受け側の機構部品を製作して取り付けます。写真は耐熱樹脂を加工し、ZIPソケット等で使用されているレバーを製作し、レバーを立てると角穴に仕込んだ2枚のバネ板の距離が広がって試料リ−ドの取り外しができ、レバーを水平に倒すとバネ板の距離が狭まってリードを固定する構造になっています。これにより抵抗部品の4端子測定を温度槽内で行えます。

・ピン、ソケット、プローブの圧入

プローブのアーム等を加工した後、ご指定の場所にピンやソケットを圧入します。この方式の場合、ソケット穴がゆるくなったら、他の場所に穴をあけ直すか、アームを作り直す必要があります。写真の例は透明アクリルのアームの先端5mmの位置に3mmのピッチでソケットを取り付けています。

・ピン、プローブ、探針の取り付け

ソケットを使用することができないピン、棒状のプローブ、ソケット自体が製造されていないタングステン探針等の場合は圧入ができないため、穴に通した後虫ネジで固定します。折れた場合は交換可能です。写真は1.3φのプローブを1.8mmのピッチでポリエステル樹脂に取り付け、水平に固定しています。試料面に対し特定の角度で針先を当てたい場合、±5°以内の精度で加工設計いたします。

・コンタクトピンアレーの取り付け

薄い板に一列に、ご指定のピッチでコンタクトピンを取り付けます。板は樹脂でコンタクトピンはソケットを使った圧入となります。ソケットは最小0.5φです。金属板への取り付けの場合、3mm以下の薄板への取り付けは困難なため、エポキシ基板を代替とすることにより0.6mm厚の板に等間隔でピンの取付けを行います。

・プローブ棒、アーム等の曲げ加工

 

  プローブまたはアームとして使用する棒を、ご指定の形状に曲げ加工いたします。写真左は1.3φのベリリウム銅の棒を45°に曲げ、先端を約30°で研磨しています。写真右は2.2φの真鍮の棒をポジショナのアームとするため曲げ加工し、先端に探針のホルダーを取り付けて試料電極への接触角度を設計したものです。

・位置決め用のガイドピンの取り付け

光学試料のアラインメント等、試料の正確な位置決めを必要とする場合、ガイドピンを立て、位置決め用の板に、対応する穴をあけてはめ込むと正確な位置決めができます。写真右はガイドピンで、写真左は正方形の各辺の中点にガイドピンを取り付け、それに合わせて穴をあけた位置決め板を取り付け、中央の10mm角の穴に試料を取り付けできるようにしたものです。

・樹脂用の♀ネジ穴部品(ヘリサート、スピンサート)の取り付け

 

樹脂に直接ネジを切る場合、頻繁にネジの締めはずしを行うとネジ山がつぶれます。そのためヘリサートまたはスピンサートとよばれる金属部品を挿入すると山がつぶれず長く使用できます。写真右はテフロンの板にヘリサートを取り付けたもので、左はその板にバネ板を、ヘリサートを使用してネジ止めして試料押さえとしています。

・研磨とメッキ処理

低接触抵抗の電極を製作するには、研磨によって電極表面の粗さを取り、金メッキをする必要があります。研磨は通常50〜100umの粗さで行います。また電極以外の金属部分の場合は、ニッケル、クロムメッキを行います。写真左はクロムメッキを行っています。右は、表面抵抗や体積抵抗を正確に測定するため、表面研磨を行い金メッキを施した電極です。

・試料吸着と水冷

試料を吸着固定したい場合、吸着用試料ステージを製作します。吸着の方式は試料の表面の粗さや反れの程度により設計します。基本的に表面を研磨し、ご指定によりメッキ処理を行います。試料ステージ下面からのプロービングや試料ステージの水冷にも対応します。試料ステージの厚さは通常10mm前後で製作できるため冷却・加熱の時の温度応答が速いのが特徴です。写真は4本のスリットにより100mm角の試料を吸着し、水冷によって試料温度の制御ができるもので、(独)産業技術総合研究所様より高い評価をいただいております。

・金網のパンチング取り付け

恒温槽等に試料箱を入れ、設定した温度・湿度の雰囲気を箱の中に導入したい場合、蓋に開口部を設け金網を取り付けます。写真は高抵抗デバイスの、抵抗-温度特性測定のためのシールドボックスです。

・遮光処理

暗箱等の製作の場合、蓋の隙間から光が入らないよう遮光処理を行います。中は黒つや消し塗装にするか専用の黒樹脂板で加工します。写真左は黒樹脂を加工した手のひらサイズの暗箱です。右は半導体CV測定のため遮光処理を行ったシ−ルドボックスです。

・気密処理

ELチェンバ−Oリングやゴムパッキンを使用し、1mmHgまでの気密処理を行います。写真は外形250×250×250mmの気密チェンバ−に、黒アクリル板を内装して暗箱とし、光学窓や気密コネクタを取り付けたものです。ペルチェ素子を使用して試料を0℃以下に制御する場合、結露を防ぐために、事前にドライ窒素ガスでパージできます。

■加工対象材料

金属:鉄、銅、アルミ、真鍮、ステンレス等
樹脂:テフロン、ポリエステル、ベーク、アクリル、ポリカーボネート、ジュラコン、エポキシ等

■ご推奨樹脂材料

加工性セラミック

連続使用−273℃〜800℃。密度2.52 体積抵抗率1016Ωcm。吸水率0%、広範な機械加工(切断、旋削、フライス削り、研削、穴あけ、ねじたて)が可能です。超精密仕上げ(穴あけ10um、研磨による面粗さ 0.01um)可能。真空用、耐放射線材料としても使用できます。

耐熱加工性樹脂

連続使用温度260℃ 吸水率 0.03%。比重1.42 体積抵抗率、表面抵抗率とも1015Ωcm。100mm角単位、厚さ5/10/15/20/30mm。加工性の良い耐熱樹脂です。

光学測定用加工性樹脂

黒ツヤ消し。熱変形温度220℃(ASTM D648)。通常厚さ10mm。 比重1.63 吸水率 0.10%。体積抵抗率1013Ωcm、表面抵抗率1015Ωcm。加工性が良く、精密加工ができます。耐熱や高抵抗測定以外の一般的な用途にも幅広く使用できます。

テフロン(PTFE)

連続使用温度260℃ 吸水率 0.0%。体積抵抗率1018Ωcm。高抵抗測定における治具等の絶縁材料として優れています。材質が柔らかいため精密加工は困難です。また1mm以下の厚さの製品は変形するためできません。

テフロン(PCTFE)

連続使用温度150℃ 吸水率 0.0%。体積抵抗率1018Ωcm。高抵抗測定における治具等の絶縁材料として優れています。PTFEより硬く、精密加工が可能です。150℃以上に加熱するクライオスタットのサンプルホルダーには適しません。

TEL 06−4866−8101
FAX 06−4866−8102
メ−ルお問い合わせ